妊娠中絶

本来「妊娠中絶」とは、妊娠した状態から流産や死産も含め胎児が死亡したことを言います。
一般的に中絶と言うと『人工中絶』のことを指す場合が多いです。

人工中絶
わが国での中絶件数は29万件程度で、これは減少傾向にあるとされています。しかしながら現在少子化傾向にあることを考えれば人工比率では減少とはいえないかもしれません。
また世界的に見るとまだ、半数近い件数で安全とは言えない方法で中絶が行われているといわれています。   ⇒関連情報

◆妊娠検査

中絶の方法

薬による中絶
通常この方法は妊娠12週目までとされています。
これは妊娠状態を維持するのに必要なホルモンの作用を強制的に止めることで、流産を引き起こさせるものです。
医師による処方が必要となります。
費用は1万円程度です。

また12週目以降の場合は人工的に陣痛を起こさせて分娩と同様の方法をとります。

手術による中絶
【妊娠初期】
胎児はまだ小さく、比較的簡単な手術で行うことが可能で、母体への負担も少なくてすみます。
時間は5〜15分程度で、手術後は2,3日の安静と薬の摂取が必要で、通常であれば入院などの必要はありません。
費用は17〜18万円程度です。

【妊娠中期】
胎児の大きさがある程度となっているために初期のような方法は行えず、分娩に近い方法をとる事になり、母体への負担は通常の出産と近いです。
時間は出産同様かなりかかり、3〜5日間程度入院を行う必要と、1週間以上安静にする必要があります。他にも母体への負担が大きく、子宮破裂などの問題がおきる場合もあります。
費用は20〜30万円程度です。

※費用はあくまで目安で、他に検査費用や別途薬品代がかかる場合があります。
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◆基礎体温と排卵の検査

中絶のリスク

精神面
中絶を行った女性の20%程度に心的外傷後ストレス障害(PTSD)とみられる症状が発症し、そうでなくても全体の半数以上はストレスによる症状が発生しています。このようなPTSDの原因が中絶であるときを中絶後遺症候群(PAS)と呼びます。
女性がストレスを感じる理由は様々。子供を失った事によるストレスや、子供を殺してしまったという罪悪感。パートナーとの関係に感じるストレス。細かくあげればきりがありません。
女性にとっては大きな問題です。周囲の人や関係者、ならびにパートナーは細心のケアを心がけてあげてください。

身体面
中絶手術は考えているよりも難易度は高く、難しい手術です。
場合によっては子宮内容物をすべて綺麗に取り除くことができずに再手術となることもあります。また、手術中に子宮損傷によって多量の出血となり、命に関わることもあり、手術後の感染などで不妊症になる可能性まであります。
中絶が大手術であることをくれぐれも心にとめておいてください。   ⇒関連情報